トマトのリンゴ!! 

 先日の誕生会の食事時間でのこと、宴もたけなわとでも言いますか、食事が終わってうろうろしている子、食後のみかんをほおばる子、おかわりをもらいにいく子、口の中に溜め込んで遊び食いになっている子、などなど様々。
 私の隣にはT君が座り、食卓の皿にはミニトマト1個と食べ残しの酢の物の残骸(キャベツの千切り数本、きゅうりのスライス2、3枚わかめ少量)が残っていました。T君は、もう食べるつもりはないのか、イスにあぐらをかいて箸をもって遊んでいました。
 私が「最後の一口しっかり食べようか」とやさしい口調で言ったのですが、腹の中では『早く食べんと片付けるぞ』と言いたいのをこらえていました。
 それでも食べる気はないらしく、相変わらず箸を片手に遊んでいました。
 『こりゃ、ダメだな片付けてしまおうか』と思っているとT君は、ミニトマトを素手で取り、次にヘタをむしり取り、ヘタの跡に箸を突き立て穴を開けました。 『何をするのかなぁ』と見ていると、短いキャベツの千切りを1本 手でつまみ、さっき作ったミニトマトのヘタの跡の穴に差し込み、「先生、ほら リンゴ」と言って見せてくれました。
 確かに小さいけど真っ赤なリンゴでした。感心しているとT君は、ガブッと口に入れ、満足そうな顔をしてもぐもぐと食べ始めました。
 「どう リンゴの味がする?」と聞くと 「ううん トマト」と言いながら食べてしまいました。酢の物の残骸は、結局残ったままで食事時間は終わってしまいました。
 ちょっとした出来事でしたが、たまにはいいじゃないですか、遊び食いも、ダラダラ食いも大目に見ましょうよ。
 子どもたちは、楽しい驚きを見せてくれますよ。そんな子どもたちをしっかり見張ることも必要ですが、やさしく見守っていきたいものですね。

                           (遊び大好き園長より)

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